地球が晴れ上がった日
最近、科学系ネタサイトとは呼べないような更新ばっかりになってたんで、
久しぶりに科学系ネタサイトくさい更新します。
カンブリアン・エクスプロージョン!!
…と書くと誰かの必殺技みたいだな…日本語だとカンブリア爆発、つまり
生物が爆発的に進化したことを指します。んでちょっと前に、カンブリア
爆発が起きた理由が何かが書かれた本が出ました。
アンドリュー・パーカー著「眼の誕生」 : 草思社
Andrew Parker "In the Blink of an
Eye"(原題:瞬く間に)
んでこの本ですが、何でカンブリア爆発が起きたかについて書かれてます。
わずか100万年の間に(進化学的には凄まじく短期間です、だって類人猿が
チンパンジーと人に分かれるのが数百万年前ですし)眼が誕生したというの
です。進化学レベルではまさに一瞬と言って良いでしょう。
そしてその間に何かが起きているはずなのです。…何かとはなんなのか?
それ以前の生物に眼は必要なかった、というのがヒントになるかも
しれません。
つまりどうやらそれ以前の地球は薄暗がりで、光がまともに地上に届か
なかったのではないかと推測できます。
…眼なんて必要がなかったんだよ!!!
いや、あった方が便利だったでしょうが使いモノにならなかったでしょう。
そら薄暗がりでまともに空も海も見えない環境では眼があっても、ねぇ…
では何故急に地上に日の光が届くようになったか?
逆に考えてみると何でそれまで地球は薄暗がりだったのか?
筆者はそこまで言及していないのでここから私の仮説を展開します。
ヒントは金星にあります。
金星の大気には大量の二酸化炭素が含まれ、太陽からの距離も近く、
温暖化効果で地上の温度は400度にも達し、探査機がわずか2時間で
ぶっ壊れました。まさに地獄。
金星の異名の一つがルシファーなんですが、偶然かなぁ…
なんせ太陽にもっと近い水星より気温高いんですよ!
地獄?あるとしたら金星みたいなところかな?といってもジョークに
聞こえないです。全然全く…まさに灼熱の地獄です。
おそらく太陽を除けば、最も気温が高い太陽系内の天体ではないかと。
金星の地表は地球からは基本的には光学レベルでは見えません。
分厚い雲に覆われてますからね。
古代地球も同じような環境だったでしょう。
もう少し低温かもしれませんが。
大きな違いは地球にある一定期間生物が存在できたことにあります。
藍藻が大量に発生し始めたのが原因の一つかもしれません。
藍藻は少しずつ、少しずつ二酸化炭素を削減し続けてました。
二酸化炭素は絶対量は徐々に減りましたが、濃度はあまり下がらなかった
と考えられます。逆に酸素の量は全然増えませんでした。
酸化の対象となる物質が山ほどありましたからです。
また、メタン細菌の暴走で温暖化やら寒冷化やらしてそらもうえらいことに。
地球は猛烈に熱暴走したり寒冷化して全地球凍結したり…
人類の環境破壊のレベルなんて連中に比べればかわいいものです。
一気に気温が数十度上がったり下がったりですよ!
今の地球温暖化問題とかと次元が違いすぎる…
(期間はその分長いといわれればそれまでですが、それにしても)
寒冷化が原因で多細胞生物が誕生したという説もあります。
いずれにしても地球の温暖化、二酸化炭素の量は徐々に低下し、
メタン細菌も暴走しなくなったある日…今から5億4400万年前…
地表にこれまでにない激しい光が差し込み始めました。
温暖化の影響が低下し、雲の晴れ間が現れ…光が地上、海中に届きました。
眩いばかりの光が地上に届くようになり、植物、動物とも爆発的な進化を
始めたのです。
膨大な光エネルギーを使用できるようになった植物は、一気に可視光を
利用できるように進化し、大量の酸素を放出するようになりました。
古生代には酸素濃度が30%もあったそうです。
過呼吸で死にますそんな環境にいたら。
逆に動物はわずか100万年で眼を手に入れました、
そして眼を手に入れる際、もう一つの副産物が生まれました。
空間認識能力とでも呼べばよいのでしょうか?
私の知る限り、眼を使わずに光以外を利用して空間認識する動物の
ほとんどは、既に一度眼を獲得した動物です。
眼を手に入れることによって得られた、膨大な情報を処理する能力。
それは眼の誕生なくしては、あるいは存在しなかったかもしれません。
もしこの地球の地表に光が届かなかったら…我々はおろか今いる
動物、植物の殆どは存在しなかったと考えられます。
おそらく地表には苔みたいなのしか存在せず、カブトガニとか
みたいなのが生態系の頂点に立ってたりしたかもしれませんね。
光が届かないせいではないでしょうけど、なんか、地味な世界だな。
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